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oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

BSで映画「トースト 〜幸せになるためのレシピ」

「トースト 〜幸せになるためのレシピ」

BSのDlifeチャンネルは、無料放送ながらなかなかわたし好みの番組をたくさん流してくれるので重宝しているんですが、外国の料理番組も多く放送していて、前から好きだったジェイミー・オリバーの番組とか(だけど最近のらしく、かなりぽっちゃりしてて「トーチウッド」の太った旦那みたいになってた上に、かなりいいかげんな料理になってて幻滅)、マーサ・スチュワートとか(相変わらず大量に作るなこの人)とか見ていたんですが、一番気に入っていた(そして終わった)のがイギリスの料理番組「ナイジェル・スレイターのシンプル・レシピ」でした。

シンプルだけど美味しそうなんですよね〜〜。ただし使っている食材がこっちでは手に入らないだろうものばかりなんで、再現が難しいというか……まあ主にキッチンのインテリアを見ているのはどの番組も共通で、中でもこの人の番組が一番好きでした。
全面ガラスのハーブが育つ庭が見える明るいキッチンで、センスが良くて機能的だけどシンプルで、カッコいいったら!

で、その同じDlifeチャンネル見てたら映画の予告があって、「ナイジェル・スレイターの自伝の映画化」とあったので、観てみました。

……あらゆる意味で、納得できちゃった。

イギリスの料理はまずい、ってよく聞きますが、タイトル通り、ナイジェル少年の実母のできなさかげん……すごすぎる。
マジでトーストだけ毎食でてくるなんて、恐ろしい。。。

でも幸せだったんだよね、それでも母がいるころは。
お母さんが亡くなって、お父さんが新しい「掃除人」(家政婦?)と恋に落ちて、その継母がやたら料理が得意で、食卓が豊かになって幸せが訪れるかというと……そんなこともなく。

じゃあ、タイトルの「幸せになるレシピ」ってなんだよっ。

まあ、原作の本のタイトルが「Toast: The Story of a Boy's Hunger」(少年期の渇望の話って意味?)なんで、日本のDVD制作者の陰謀に違いないんですが、食を通して人と人が信頼しあうなんて甘いヒューマン・ドラマを期待して観ると、あっという間に裏切られます。



そういえばちょっと本筋ズレますが、最近朝ドラの「ごちそうさん」、後半に入ってやっぱりテンション下がっちゃいました。
戦争部分が暗いのもありましたが、その前からどうにも無理矢理、「食で解決」部分が鼻につくというか……お義姉さんのあたりまで、無理矢理解決にもっていかないドラマ作りは巧いと思ったんですけどねえ、どうにも今年に入ってから、「料理が家族円満につながる」って話に持って行きたがる傾向が見えて、先々週あたりから、毎日朝だけ観て、土曜のまとめ放送はみなくなり、とうとう今週は朝も見ず、まとめ放送も見ていません。
観たいって気にならないんですよねえ。
食べることは大事だけど、家族のつながりってそれだけじゃないだろうと。

わたしの母なども、あまり料理上手とは言えませんが、母の味って独特のもので、思い出補正もかかってるし、他人からは計り知れないものだと思うわけで。
レシピを工夫してなんとか……と考えている時点で違うだろうと。
小手先、って気がするんですよ。
あと、牛すじカレーなんか、「時間をかけてじっくり作っていく」のが家族なんだ、って風に言われると、もうジェリーが、
「あの牛すじカレー食べたい」
と言っても、作る気ゼロになってしまいます(あまのじゃく)。

プラス、昨今の日本人って「良い話」に飢えているのか、「感動秘話」系で補正をかけた番組も多くて、例の「日本のベートーヴェン」などを取り上げ、またCDが売れてしまったりする……挙句大騒動してますが。。。

感動して泣くって、心にも体にもいいことだとは思うんですが、なんか違うと。
無理矢理カタルシスを求めて、砂糖中毒のように甘い話を求め、解決策を手近に求め、涙で埋めてしまいたい。
……最近「感動スペシャル」とかタイトルについているものは、全部避けることにしています、わたし。



……で、これ。
タイトルだけだったら、絶対避けていた系のほんわかした料理好き女性向け感動ドラマ、って感じですが、結構ハードです。
継母とのケーキ作り競争なんて、最初は笑っていても三人家族と考えて、あのものすごい大きさのケーキみると、後のことは想像できるというか……

 あ の レ モ ン パ イ 、 す げ え ! !

140211.jpg
手前が超デカイレモンパイだっ!

一カケがワン・ホールくらいあります。
特にレシピ知ってると、もっと恐ろしいです。
あのパイのフィリングのレモン・カードのレシピ(もっとカロリーオフなレシピもありますが、多分時代と場所を考えるとこれが近く、そしてこれより凄いと想像します)……砂糖とバターと卵のカタマリ……それをあの量……日本人なら必ず糖尿病を発症すると思う。。。

「美味しい」が正義でない。
「美味しい」が凶器になる。

武器としての料理を観るためなら、ぜひお勧め。
イギリスの田舎のインテリアや庭やファッションや風俗なども美しく、キッチンやツールもステキ、夢の映画としては申し分のない世界の中で、満たされず生きていく少年の物語です。

んで、匂わせる程度でおわるんですが、やっぱゲイか……さすがはイギリス。
つうか、別にカミングアウト的なエピソードいらないんだけど、アイデンティティとして外せないんでしょうねえ。

そういえばこのナイジェル・スレイターの本を探そうとAmazonのUKで本のカテゴリー見てたら、ばっちり「Gay & Lesbian」ってジャンルが……ほぼ日本でいうところの「女性向け」みたいに、独立したジャンルがあるのね。
流石イギリス<こればっか。


そんなわけで、面白かったです。
継母役のヘレナ・ボナム=カーターがまさに適役、主人公の家は中流?で、継母は労働者階級らしく(しかも既婚)いろいろ侮蔑的なことを言われますが全然意にかいさず堂々としてて、くわえ煙草で次々繰り出す豪華な料理の数々に圧倒され、そして見えないながらも愛があったとわかるシーンなどもあり、やっぱパワーのある女優さんですねえ。
主人公の少年役も青年役もキレイでしかも巧くて、キングズ・イングリッシュが耳に心地よくて、これはお気に入りになりそうです。









オマケのネタバレ。
最初に勤めたホテルの厨房……胸に「SAVOY」と……いきなりそこかっ。
そして雇ってくれるコック長役が、本物のナイジェルでした。
ちょっと演技が堅い……が、やっぱ食べるシーンが上手いな、この人。



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Category : movie
Tag : 映画 BS
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