FC2ブログ

oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

小説「探偵はバーにいる」


探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
(1995/08)
東 直己

商品詳細を見る


わたしは怠惰な人間だから、だらしない人を嫌う。

自分を棚に上げるとも言うw
別にマーサ・スチュワートな探偵を見たいわけじゃないけど、色んな無駄をしている人物を楽しむ文学的余裕もない。
なので、ギャンブルで日銭を稼ぎ、朝から酒を飲んでいる主人公が嫌いだ。

20代で「ぢぢぃ」と自称する、その青臭さも嫌いだ。

繁華街で埋もれていく雑多な人々を憐れみつつ、どこかで頭のいい自分が高いところから俯瞰している、目線が嫌いだ。



……とまあ、主人公にちょっと引っかかったんですが、面白かったです。(結論そこです)
やっぱ映画先に観たのがいけなかったなあ。
別に大泉洋をイメージしてなかったはずだけど、あまりに違うというか映画より怠惰な人物とは思わなかったので、ガッカリ感がすごくて。

探偵ものというと、探偵の魅力が一番にくるんじゃないかなあ。
特にハードボイルドとなると。
これがアームチェア・ディテクティブだと、太って動かない探偵も魅力的なんだけど(ポワロとか)、殴り合いとか走ったり階段登ったりこまめに聞き込みしたり、動くたびに体重が邪魔してぼやきながらじゃあ、読んでるこっちまでだるくなります。

多分、作者はその「今までにない探偵像」を狙ったんだと思うし、これだけシリーズが続いているので受け入れられているんだと思います。
考えてみれば、日本文学って怠惰な人物を描くことにかけては歴史あるし、受け入れる土壌はあるのかもね。
特に男性に。
明治の小説読むと、ダメ人間が多いし。まあ、心の中では色々葛藤があってそれが文学になってるんだけど、周りから見るとダメでしょ、ってのばっかで笑うほど。

庶民的にも、昭和の大シリーズ映画といえば「フーテンの寅さん」。
テキ屋やりながら(やってるシーンはそんなにない気がするw)、全国を放浪し、実家は妹とその婿にやってもらい、たまーに帰ってきては騒動を起こす……世間的に見たらもう、「あそこんちの長男はヒソヒソ」だけど、フィクションならOK。

次男でありながら家業をついで不況と戦いつつずっと職人をつづけていた父が、好きだったなあ。

「男はみんな、あんなにいい加減に生きてみたいもんなんだよ」

……昔よく言ってました。
いい加減にでも生きていける……けれど自分はそうじゃない。
全部わかったところで、物語を楽しむ。

日本人の大多数が、真面目だから。いい加減じゃないから受け入れられてきた主人公。
そういうのも、ありだった時代。

そういえば、冒頭で、これはちょっと前の時代だと書いてありますね。多分昭和50年代後半かな。トルコの看板がソープランドに一斉に変わったのは、結構前ですよね。

でもこの世界は、周りにいい加減な人物がいすぎて、主人公がまともに見えてくる不思議。
真っ当に話さえ出来ない若者たちを、作者は丁寧に描いていきます。水商売で生きていく世界がどんなものか、ほとんど何も考えずに生きている人々を、冷酷に、暖かく。

そういうとこ、ハードボイルドとしていいなあと思いつつ、読んでいて、早く読み終わってこの世界から脱出したい……そんな衝動が生まれてきました。
寅さんは日常から飛び出した存在でしたが、この探偵は日常に埋もれて身動き出来なくなっている感じ。

ああそうか、これは読み手の日常が輝いて見える小説なんだ。
読み終わった後、本を読めるだけの余裕のある日常が、どれだけ幸運なことか。
うがった見方かもしれませんが、わたしにとってはそうでした。


いい加減に、でも自由には生きていない主人公。

ハードボイルドには、ぴったりに見えてきました。

スポンサーサイト



にほんブログ村 映画ブログへ
↑映画の感想を読んだ人、気が向いたらポチッと。
Category : book
Posted by onion on  | 0 comments  0 trackback

11/02のツイートまとめ

summer_lukie

TVてよく見る「美魔女」って言い方が嫌い。暗に「ババアのくせに」って言われている自覚なしに、言われて喜んでる人たち見て、嫌だ。
11-02 08:37

継続……わたしに一番足りないものだけど、治らないんだよなあ。あけやすのほれやす。
11-02 08:44

ヤバいっす。ひかりTV、ちょっと覗いてみるつもりが、こんな時間まぼーっと。ビデオ部分でドラマ「V」の第1話と、TOP GEAR見てました。けど、有料のところが多くてげんなりも。テレビはたくさん映るけど、ドラマが全部シーズン途中なんで、見始めるのにも躊躇しちゃう。うーん。
11-02 21:30

にほんブログ村 映画ブログへ
↑映画の感想を読んだ人、気が向いたらポチッと。
Category : Twitter/facebook
Posted by onion on  | 0 comments  0 trackback
該当の記事は見つかりませんでした。