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oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

劇場公開映画「マン・オブ・スティール」

「マン・オブ・スティール」 

やっと、思い切って観てきました。
あれですよ、どうみても「自分の好みのスーパーマンではない」ことがわかっているし、あの、「ダークナイト」シリーズのノーランプロデュース……監督は、「エンジェル・ウォーズ」のスナイダーでこの映画や「ウォッチメン」は好きだったんだけど、暗かったのであの作風でスーパーマンにしたら、そりゃあちょっとなあ……。

と三週間迷った挙句、やっぱり大画面で観ておきたいと、行ってきました。
一緒に行った長男(たいてい「面白かったね!」という激甘な観客)が、

「スーパーマンって、人助けするヒーローじゃ、なかったっけ?」

と言いました。
うん、だよね……あんな戦い方するヒーローじゃ、なかったよね。。。

やっぱりというか、テンション爆下がり。
てか、この監督(あるいは脚本)は本当に「スーパーマン」(原作)が好きなのか?
スーパーマンのヒーローとしての「萌えどころ」を、全部潰してしまった……特に最後。
最悪……。

逆に考えると、今度作るという、バットマン対スーパーマンを観なくて済んだ、ってことになりますかねえ。
どっちもキライだもん。
ええ、はっきり言って、キライです、こんな映画。
ここはもう、好き嫌いで判断しちゃいます。

「ダークナイト」にも感じたことですが、リアルを追求した挙句、陳腐になるパターンそのものでした。
最初のクリプトン星の崩壊なども、リアルを目指しておきながら、あのどこかで見たようなデザイン、アクション、キャラ、SF設定……デジャヴ?
まんま、ノーラン版バットマンに感じた違和感そのまんまで、予想が予想を越えて当たってしまったという……しかも、先の映画では良い意味でぶっ飛んでて意味のないアクションが心地よかったスナイダー節のアクションが、逆にアンリアルに拍車をかけてて、双方のベクトルがぶつかりあってゼロにもどってしまったよう。

あかん、旧作観て口直ししなければ。
てことで、「続きを読む」でネタバレしつつ、スーパーマンの「萌えどころ」について語りたいw










まず第一に、

<メガネと二面性>
日本の眼鏡っ娘好きオタク男子じゃないけど、メガネって「ホット」だよねえ。
なのにクラークがメガネをかけるのが最後の一瞬って。。。なめとんのかー!!
多分だけど、「メガネをかけてドジをするクラーク」を「ダサい」と感じたんだろうな、脚本家は。
バカなことに。
あれはわざとだ。まあ、スーパーパワーが有り余ってやっちゃうこともあるだろうけど、彼はクラークという人間を「楽しんでいた」部分があると思うんですよね。
スーパーマンとして現れると周りの人間が一気に態度を変えてしまうのを知っているから、普通の「無視される大衆」になりきってみたい……だから必要以上にドジッ子設定にしちゃったのはやり過ぎでw、おかげでロイスに鼻も引っかけられなくなっちゃうわけだけど。

そのメガネをかけたキャラが一人の人間として生まれたのが、

<三角関係>
忍ぶ恋って言ったら日本的なベタベタな感じだけど、実際ロイスとの恋はスーパーマンとクラークとロイスの三角関係で、スーパーマンの部分ではあっという間にロイスの心をつかむけど、クラークはクラークの部分を好きになって欲しい……パワーなどの「ギフト」に惹かれるより、人間性に惹かれて欲しい。
同じ人物でありながら、クラーク=スーパーマンはクラーク>スーパーマンなんですよね。
個人の部分はクラークで、スーパーマン部分は公人(仕事)みたいなもんで。
本質は人間的なクラークの部分にあるから、そっちを好きになって欲しい……その感覚が乙女心的にキュンキュンしていいんじゃん。

その辺で一番好きなのがTVシリーズの「新スーパーマン」(ロイス&クラーク)でした。あれはクラークが本当に一般人として暮らしていて、それなり有能な新聞記者で、ロイスはクラークも好きでした。
で、スーパーマンとどちらか悩んだ挙句、どっちも一人の人物だったというw
その大前提があったから、本当に結婚しちゃっても普通に暮らせたし、視聴者も応援したんだと思うのです。
クラークを人間として描けるかということに立ち返るなら、その部分をちゃんと書いて欲しかったなあ、今回。
なのに、最初っからロイスはスーパーマン=クラークだと知っちゃってる……中盤でわたしのハートは破れました。
萌えポイント一個消え〜〜! みたいな。

<アクのあるキャラ>
そのロイスもそうなんだけど、どうにもいい子ちゃんキャラが多くて……軍人までなんかいい人だったしね。
ガツガツしたところがない……基本「意地悪キャラ」とか、韓ドラみたいなベタなキャラはいらないと思ってますが、普通の人間なら普通に持っているはずの「野心」さえも感じられないキャラクターばかりで、物足りないのもほどがあります。
「デイリー・プラネット」の編集長、今回ローレンス=モーフィアス=フィッシュバーンでしたが、この人もしかして下手? と思うくらい、アクがなかった……ロイスが握っていると思われる情報(特ダネ)にも興味を示さない、憎まれ口さえ叩かない、逃げるときは部下を助けて命をはる……最初に憎まれ口をきいておけば、あとの部下を助ける場面がどんなに感動シーンになったか、脚本は考えなかったんでしょうか。
旧友の太った子、助けられた後ちょっと仲良くなったかと思ったけど、大人のシーンでまったくふれあいがなくて、がっかりです。長くて削ったシーンがあるなら、その部分も削るべきだったでしょう。

<クスグリ>
思うに、この映画の作り手たちはユーモアのセンスが皆無じゃないかと。
一瞬笑えた「手錠をするスーパーマン」というかなりオイシイネタを、なんの「タメ」もなく次のシーンでパチンと切ってしまう。
もったいない。
出来るだけ抑えた色合いにしても、あのコスチュームは笑えるのに、笑わない軍人たちが、なんとも。

逆に、真面目に作っているんだろうけど、あのシャチハタには日本人は大爆笑でっせ、旦那。
「そのSは何?」
「平和の象徴だ」
……あれ? 家紋って字幕出てなかった? つか、モロに印鑑的な用途だったし!
でも他は……ほんと、全然笑えなかった。
笑う映画じゃない、ってこと?
赤いマントして空を飛ぶ男を笑わなくて、何を笑うんだよ、もう。
笑いながら、同時にその圧倒的な存在に畏怖を覚える、ギャップがいいんじゃん!

<家族愛>
ケビン・コスナーのお父さんは良かったけど、あれってどうなの。
「救える命を救わなかった」って後悔を子どもに植え付けて死ぬ親って、はっきり言ってダメ親だと思う。
その後クラークは放浪の旅に出るわけだけど、何を探しているというわけでもなく、所々で人助け……この辺りが一番面白かったと言えば言えて、子どもの頃の回想シーンを織り交ぜながら巧く持っていきますが、よく見ると自分探しをしているバックパッカーなだけな気が……本当に何していいかわからないまま30代まで一人暮らしの母をほったらかして……それで「どこへも行かないよ」って、え〜〜〜〜。。。

旧作でも母を置いて出るけど、その辺のフォローがきっちりしてありましたね。
つか、そういう昔話を回想シーンでやっちゃうから、テンポは良くても家族の「連続した」愛情物語がぶっちぎれで、どちらかというと生みの親のドラマに重点が置かれていたのが、今回の映画でしょうか。
その「生みの親のドラマ」がまた、ビックリするほどステレオタイプなんで、ちっとも感動しないわけですが。

<スーパーマンの知性>
すっごく、頭が良さそうに出てきますよね、今回。
でも、実際は……コイツバカか? と思いながら見てました。

特に最後、ゾッド将軍との対決では、飛んで逃げて、あ、市街地から離れるんだな(被害を食い止めるため)と思ったら、ビルの林でかくれんぼかよ!!
その間に敵の重力兵器で無事だったビルがどれだけたくさん破壊されたんだ!
なのに最後で三人助けるためにゾッドを殺す……ホント、何考えてるんだ。おまいは目の前で人が死なないと死んだと思わない幼児かよっ!

<人命救助>
その意味で、「人を助ける」ための行動が、もうぶれまくり。
田舎町で通りの人々に「家に入れ、ここは危ない」と言ってましたが……あのあとの敵と軍隊の容赦ない攻撃で、あの家の中にいたひとたちは、助からないよね?
ワクワクした人命救助は石油採掘プラントぐらい、それも、スーパーマンならあれぐらい片手で投げられるだろうに、ギリギリ持ちこたえるみたいな表現……まだ目覚めてない頃だったからかもしれないけど、お客さん、一緒に抱えたつもりで手に力入れてせえ〜のっ! って声が聞こえてきそうな、タメ。

その辺りはまあまあ、いいんじゃないの、って見てましたが、最終兵器のあれを地球の裏側から力任せで破っちゃうあの力技というかなんというか、計画って、それ? みたいな……作戦って一体何の作戦だよう。。。知性のカケラも感じられないうえ、そのあとの大量破壊ドツキアイを見せられて、もう途中からうんざり。
マクノスケさんがブログで書いてらっしゃった通り、タメのないアクションがバンバン続くだけで、あのビルの一部屋一部屋に人がいる感覚が、作っている人たちにはないんだろうなあ、という諦めで疲れちゃって。
(パシリムのビル破壊では、中に人は見当たらない表現がありました。香港人は流石の危機管理能力発揮で、みんなシェルターに逃げたようですw)

そして最後、デイリー・プラネットにクラークが入社しますが、窓の外……何事もなかったよう?
えっと、新聞社のあったビル、重力兵器の犠牲になったんじゃなかったっけ?
つか、そのあたりで復興に力を貸すスーパーマンを描いたっていいじゃん。
せっかく馬鹿力があるのにさあ。
そこでもう、リアリティ・ゼロ。
リアルを目指して、逆にアンリアルに。

<異世界の美>
「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」でしたっけ。

ということで、完全にファンタジーとして作っている旧作の方にリアルを感じてしまうわたしなのでした。
クリスタルに何もかもデータが入ってて大きな基地も出来るって、今から考えるとめちゃめちゃ高度な文明ですよねえ。
テラフォーミングなんて、しなくていいくらいの高度な文明。
でもあっさり滅びてしまう、その逆説が美しさになる。

美しくなかったなあ、今回のクリプトン。

<浮揚感>
一番のキモはここ。
自分も浮いて飛んでいってしまいそうな浮揚感が、この映画にはありませんでした。
気持ちにも見た目にも。

そしてわたしの気分はどん底に落ちてしまったのです。。。









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Category : movie
Posted by onion on  | 4 comments  0 trackback

4 Comments

ひろこ says..."無常の月"
スーパーマンと云うと思い出します。おかげでまっすぐな目で見られない。
ONION様の感想で「クラーク・ケントが眼鏡男子」という事に気が付きました!! 長男君の感想はシンプルで判りやすいな~。引き継いだ遺伝子と幼少時からのONION様のビデオ教育の賜物でしょうか。私は見ていないのですが、Kさんは「長い」と言っていました。


カープ、頑張っていますね!! とりあえずこの3連戦は中継してくれるでしょう。3連勝して!!
2013.09.22 10:01 | URL | #- [edit]
onion says..."Re: ひろこさんへ"
無常の月……あの短編集ですねw
スーパーマンの子孫繁栄に関する考察、でしたっけ。
そらまあw
つか、そんなこと言ったら、スーパーマンってどうやってヒゲ剃ったんだ、って話になるじゃ〜ありませんか。
その辺のお約束的お笑いネタも、このヒーローのおかしみだと思うんですよね。

> 私は見ていないのですが、Kさんは「長い」と言っていました。

確かに長かった……つか、不要なシーンが多かったように思いました。
リズムが悪いから、途中でダレるんだと思います。

> カープ、頑張っていますね!! 

ね〜!
昨日はマエケンが良かったし、打ってたのでこれは楽勝だね、と映画を観に行って、かえってきたら8回に4点入れられてる……まったくもうw
それにしても、ふんばって欲しいです!

2013.09.22 17:48 | URL | #- [edit]
マクノスケ says..."長いしあまりにもゲーム感覚"
やっぱり長いしどーみてもゲーム感覚で作ってるんですよねえ。
昨日見た「エリジウム」もそうなんですが、アクションシーンがどうみてもゲーム画面。
なんか、こうそういうアクションばかり見せられると「アクション映画は死んだ」なって気持ちになってきます。
もうそれすら通り越して私たちの時代の映像表現は時代遅れなのか?とか自虐的にもなってきました。
あんなにタメがないともう痛いんだかなんだかわからないからキャラに共感しようがありません。
アメリカではヒットしたみたいだけど、なぜだ~って思っちゃいましたよ。
アメリカ人はスーパーマンならなんでもいいのかって。(笑)

しかもニューヨークがあんな事になっているのにデイリー・プラネットの人は直前まで避難しないし、
避難が遅れてあんな酷い目にあったところへと偶然(!)スーパーマンが降りてくるって演出が
あざとさを通り越してそんなのダメだろう!って感じになっちゃってるし。

それにやっぱりメガネケントがあれだけしか出ないってのがねえ。
あれじゃあ三角関係も崩れちゃってラブコメ的な要素もなくしちゃってるし
あ~勿体ない!勿体ない!の連続でした。
まあ、一番いけなかったのはやっぱり私も浮遊感がなかったって事に尽きると思います。

テンプレート変えたんですね!
MDさんのテンプレ!私も好きです-。コメント欄も見やすいですよね~。
2013.09.23 10:34 | URL | #GWMyNl/. [edit]
onion says..."Re: マクノスケさんへ"
> やっぱり長いしどーみてもゲーム感覚で作ってるんですよねえ。

そう、完全にゲーム感覚。ゲーム好きな人には良いのかもしれないけど、あのゲームしているときの「無責任さ」が我慢ならないんですよね。

> もうそれすら通り越して私たちの時代の映像表現は時代遅れなのか?とか自虐的にもなってきました。

うん……もしかして自分だけ? と思ってましたが、これは世代のギャップってことかなあ……いやあ、違うと思うけど。
つか、逆にわたしはアメリカ人はもう昔のスーパーマンなんて、好きじゃないのかなあと思いました。あの、ダサかっこいいタイツの男は、もういらないって、だから全く作り替えて、別のヒーローを生み出したつもりなのかなあと。

> それにやっぱりメガネケントがあれだけしか出ないってのがねえ。

そうですよ〜最後だけって、しかもロイスは知っているって、意味ない……。

> テンプレート変えたんですね!

ありがとうございます! 夏も終わったし、ちょっと気分を変えてみました。すっきりしてて、写真もカッコいいですよね!
2013.09.24 05:25 | URL | #- [edit]

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