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oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

小説「仮面の大富豪」上下巻。







「マハラジャのルビー」に続く、サリー・ロックハートの冒険第二巻です。
これも読みやすくて一気に読了しました。

で、二巻でも感じたのは、この作者は骨があるなあと。
普通だと、ビクトリア朝を舞台にしたら、それこそ貴族的な社会を描くか、でなかったら底辺の悲哀を描くか……二択になってしまうのでしょうが、この作品(前作も含めて)ではどちらも、そしていわゆる中流も描いてくれます。
イギリス社会が変動していく様を、切り取って活写してくれます。

そして気づくのです。
わたしたち日本の女性が、いまこうして安穏と暮らし、男性と同じように働き(まだまだ「平等」とは言いがたいんですけどね)、言いたいことが言えるのは、まさにこの時代に生きた人々、とりわけサリーのような先駆的な女性のおかげだったと。

19世紀の産業革命はあらゆる面で「はじまり」でした。
新しい考え方と古い慣習が混在して、女性は「従属物」から「個人」へと変貌するただなかにいました。
サリーも、大学はでましたが、学位はもらえません。
結婚したら、それまで自分で築いてきた財産はすべて夫のものになります。
女性一人で生きていくのは大変な時代なのです。
強くならざるを得ませんし、でなければ男性の庇護の元で従属するしか道がなかったのです。

でも、男性に庇護される(扶養される)ということが「従属」か?
ということも、示されています。
本当に自分に大切なものを探す旅のなかで、サリーとその友人たちは大人になり、大きな事件に巻き込まれるなかで、決断をせまられます。

こうした太い縦軸があるから、間に挟まれるこの時代の流行のあれこれ、舞台劇や心霊ブームなどで彩られても、荒唐無稽にならずに骨太なお話しになるんでしょう。

そういう点では「ぶっとび」加減がたらなくもありますけど。
やっぱり「ライラの冒険」の方が派手なんだろうとも思います。
けど、これはこれ、楽しかったです。

……しかし、Amazonの本紹介を先に読んじゃいけませんね〜次巻の「井戸の中の虎」をみたら、この本のオチが書いてあったりして……おいおい。。。
まあ、おかげで衝撃は少なかったというか、まあ、そんなに思い入れがあるキャラではなかったからいいかというか……しかし、読者を年少の少女とみると、かなりショックだったのでは? お察しします。

ま、それはともかく、今回もちゃんと「ジム・テイラー」くんご活躍で、ひとまずドラマへの期待が高まるってもんで。

で、ここまで来てから、YouTubeで検索したら、ありました。
マットの出演部分だけを集めたクリップが!

↓「マハラジャのルビー」前後。




↓「仮面の大富豪」の前後。




やっぱかわいいい〜〜! 本では14歳からだったんで、ちょっと育っちゃった感はありますが、フレッシュフレッシュ(ほくほく)。

あとはDVD届くのを待つだけ!!




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Category : book
Posted by onion on  | 2 comments  0 trackback

2 Comments

Helva says...""
P.プルマンのページを尼ちゃんで見ると、かなりあるんですね。
しかもそこそこお高い。ちょっと時期を外すとマーケットプレイスでも高額になってしまって、もっと早く入手しておくんだったとくさくさします。
読む本はたくさんあるのに、ついついお友達のレビューなど見るとそっちに食指が動いてしまう、因果な性格です。

ビクトリア時代にかかれた多くの作品は別としても、同時代を舞台にした作品も多いですね。
ちょうどわたしたちが江戸を舞台にした時代物を好むように欧米系の人も(その時代に戻ることは望んでいないものの)古き良き時代への郷愁があるのかも、これは想像ですけど。

ドラマとの響きあいも大切、それがあればこそ、読む楽しみも増すというものですね!
2014.03.10 13:39 | URL | #q6AO.T9M [edit]
onion says..."Re: Helvaさんへ"
> P.プルマンのページを尼ちゃんで見ると、かなりあるんですね。
> しかもそこそこお高い。

そうなんですよ〜ライラなども、最初の一巻は文庫になっているけど、あとはハードカバーでしかも上下巻……それこそ普通なら図書館を頼るところですが、すでに虫眼鏡でないと本が読めない傾向に……(情けない)。

これの続編も上下巻なんですが、三巻はどうみてもわたしの好みじゃないんで飛ばしたいwんですが、四巻は例のジム・テイラーくんが主人公の外伝っぽいので買おうかなあと……。
お話自体は、やっぱり児童書だなあというか、え、そんな展開でいいの? みたいなところもあり、微妙っちゃ微妙なんですが、キャラクターの作りが巧いので引っ張られる感じですかねえ。

ええ、ジム=マット補正かかっているとは思います〜。
そしてドクターのローズ補正も……まあこれもタイミングかも。

> ちょうどわたしたちが江戸を舞台にした時代物を好むように

ああ、そんな感じあるのかもしれませんねえ! 特にシャーロック・ホームズの時代は好まれるようで、しかもイギリスには古い町並みが残っているし、昔の鉄道を走らせるためだけの線路が残っているらしいですね。
すべてセットで通してしまう日本とは、古いものに対するこだわりが違う気がします。

それなのに、先日DVD届いたのでそれを見たら、黒人俳優がたくさん使われてて、その時代に? とちょっと疑問だったり(バッチさんの舞台劇でも同じでした)、現代的に差別的なキャストは許されないのかなあと……色々事情はありそうですねえ。

感想を読んでいただいて、読みたいな〜と思ってくださるとめっちゃ嬉しい反面、期待させてもな〜とプレッシャーに感じたりもしてしまいます〜。。。
2014.03.11 05:17 | URL | #- [edit]

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