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oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

小説「オリンポスの神々と7人の英雄〈1〉消えた英雄」



パーシー・ジャクソン・シリーズの続編……でも、この一巻にパーシーの姿はありません。
いきなり行方不明だって。
だから題名に「パーシー・ジャクソンと」ってつかないんですね。

で、その辺りの作りが上手いなあと感じます。
以前のシリーズは、パーシーの一人称で、パーシーが12歳から一巻ごとに成長していくのを追っていく楽しみと、読んでいた子どもたちも、年々成長していったのだろうと感じさせるものがありました。

そしてパーシーも16歳になりました。
そりゃもう、思春期突入ですよ。
イノセントな少年期が終わりかけてます。
……色気づいてきちゃうしね。
で、その時期から始まるこのシリーズになると、なんと章ごとに「語り手」が移動するのです!

以前のシリーズの章題は「パーシー○○する」ってパターンだったのが、この本では「ジェイソン」「パイパー」「リオ」という題が続き、主人公三人のそれぞれの視点からストーリーをすすめていきます。
おかげで、以前はパーシーの視点からしか物事が見えず、周りの人々の心の動きまでは表現できなかった微妙な「ゆれ」と「すれ違い」を鮮明に浮き出すことができて、同じ冒険小説でも一段、高度になったと感じます。
それは、

パーシーのシリーズを読んで成長した子どもたちの読書能力の成長にあわせて小説形態も進化した

ってことなんでしょう。
少年期の、パーシーのように自分を「落ちこぼれだ」と自虐している子どもの心を解放する物語が前シリーズだったとしたら、この新しいシリーズは自分と人(あるいは社会)との関わりを探り出す思春期のシリーズなのかも。
だから、ストーリーもよりダークに、成功もある意味ビターチョコのようにほろ苦い……か~~っ!! 上手いですねえ、リオーダンさん!
いやあ、わたし自身も下手ながら物語を組み立てる作業をしてきたもんで、その辺りの作り込みが絶妙なのがわかります。
ホント巧い。

今回のキャラもギリシャ神話やローマ神話を巧みに使って、このストーリーと神話が複雑に絡まるようにできているみたい……みたい、と書くしかないのは、あんまり神話にくわしくないもんで。

てか、おぼえきれね~よっ。

なので、所々重要そうな英雄や神様の名前が出てきたら、その都度Wikipediaで調べながら読んでいました。
……読んでも覚えきれない……神様と人間どころか、馬とか風とかも親戚関係なんて、心が受け入れらんない!
でもそうやって予備知識を入れながら読んでも面白い、キチンとエンタメしていてすばらしい一品でした。


さて、キャラの話。
そういえば前シリーズでは視点がパーシーからだったので、パーシー自身の容姿がいまいちわからなかったのですが……この本でも「緑の目の少年」くらいの表現しかされてませんでした。このままだと映画のキャラのイメージが固定化されそう。

今回の主人公(?)ジェイソンですが……記憶喪失なんで、ちょっとわかりにくいですが、執拗に周りから「ハンサム」と言われる、リーダーシップもバッチリな金髪少年……ちょっとキャラ的に面白みはないかなあ。
「彼にはドレスアップはいらない」みたいな表現あった時には、さすがにこそばかった。。。
今回のヒロインパイパーは、等身大の女の子、という感じででてきましたが、これもあまりに美少女で「少女の夢の自画像」設定なので、なんか「ハンガー・ゲーム」と同じニオイを感じでしまいます(わたしがひねくれているだけかも)。
そらもちろん、機械いじり得意なリオが可愛くて良いですよねえ。
「自分に冷たい美少女が好み」ってのも、ウケるし。
どこか自虐的なモノローグは、パーシーを思い起こさせてくれます。
これからが楽しみ。

……で、結局パーシー!! 大丈夫かいな~~~。お母さんは心配だよう。


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Category : book
Tag : 小説
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