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oniondiary | 日記。時々映画やドラマや小説のレビュー。最近はなんとなく毎日書いてますが無駄話多し。

JQ7「真実の瞬間」

[ジェダイ・クエスト-7] 真実の瞬間 (LUCAS BOOKS)[ジェダイ・クエスト-7] 真実の瞬間 (LUCAS BOOKS)
(2008/04/25)
ジュード・ワトソン

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 ジェダイ・クエスト・シリーズも大詰め、徐々にエピソード2世界に近づいていきますが、映画世界にとどまらず、ワトソン女史の描いたジェダイ・アプレンティス世界(エピソード1の前)を下敷きにしているので、その後半を読んでいないわたしにはつらいものがあります。

 今回も、かつてクワイ=ガンを苦しめたという女性のマッド・サイエンティストが出てきますが、その怖さがイマイチわからない。もうちょっと説明があっていいような気がするけど、そこはジュブナイル、かなりあっさりと書いてあります。
 それでもこの本単独で楽しめるように、ってことだとは思います。今回も、スポットが当たっているのはあくまでアナキンとオビ=ワンの心情部分にあるし、脇の人間模様も細かく描いてくれていて、さすが。

 ただ今回、途中かなり細かく描いた脇役たちが、終盤でぷっつりいなくなっていたりして、バランスが崩れたのは、例の女性マッド・サイエンティストが出てきたとたん、アナキンの世界が閉ざされたように、その他の人物もいなくなっちゃったというか、ないがしろになっちゃったかなあ。

 ただ、今回のパターンはそれだからこそひきつけられて面白かった、といえます。
 ジェダイの存在意義や制度に、どことなく違和感を感じるのは、わたしもそうだけど、多くのアメリカの子どもたちも一緒で、その不安をあらわにしたのが、アナキンに施された実験(?)だったのだから。

 ジェダイって、なんなの? 心安らかでいるのなら、武器(ライトセイバー)は要らないんじゃないの? こだわりや執着を捨てれば、人間関係ももっとシンプルになる?

 ・・・・・・ジェダイ=武士道と思えば、日本人的には理解できないものでもないのですが、それでも家族を救うこと(アナキンの母など)も許されない日々は、理解しがたいものがあります。子どもの頃から両親から引き離されて、一切接触を断っている様子とか、もう新興宗教に通じるような「うさんくささ」、これが西洋の子どもたちであればなおさら、際立っているんじゃないかと思うので、ワトソン女史がJAからJQにかけて描いてきたジェダイの「ありよう」は、明快な中にも答えが一つではない、面白い西洋的解釈です。

 中でもジェダイのイメージの中心であるヨーダの超越より、クワイ=ガンの人間味やオビ=ワンの成長を描くことで培ってきたジェダイのイメージがしっかりあるからこそ、読んでいて面白く、スターウォーズ世界の中でも異質なシリーズになっているんでしょう(明らかに、他のスピンオフとは違います)。
 そんな中でジェダイを否定することになるアナキンの揺れ動く心情は、実は読者に一番近いものがあるのかもしれません。

 悪に染まる人物に子どもたちを同調させちゃっていいのか?w

 でも、シリーズ中で一番人気が、やはりダースベイダーだという事実をもってして、そして最後の最後に悪の中心である皇帝を倒すのが当のベイダーだということを考えると、人間が成長する中、一度は正義に外れることがあったとしても、最後には成すべきことを成せるのだ、というポジティブなメッセージも込められているように思います。

 だからかなあ、アナキン、この本の中では16歳くらいのはずですが、どうにも子どもっぽい。読者に合わせているのかも。

 いやいや、エピソード2の映画の中の18歳でさえ、ガキっぽかったから、こんなもんかなw

 そうそう、今回は例の「ガンダーク落ち」もありますので、アナキンの平和な日々と一緒に、おたのしみに!!
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Category : book
Posted by onion on  | 2 comments  0 trackback

2 Comments

Helva says...""
表紙画像、すごくでかくてインパクトありますね!

ジェナ・ザン・アーバー、確かに余り怖くない、描写でもかなり女性的な面がうかがえます。
どうも彼女はジェダイ萌えというか、フォース萌えのようで、ある意味科学者として純粋の好奇心で行動しているようにも思えます。
ただし、力を持つと、次ぎに欲しくなるのが現実社会での権力、もしくは財力ということになりますね。
特にアーバーは服から住居、宇宙船に至るまで贅沢好みで、悪しき女性の特質も全て備えているようです。ということは、周囲に侍らせる男も贅沢好み──ジェダイなどを侍らせておきたいと思っているんだろうか??

この巻にも言えるのですが、onionさんご指摘のように、とにかくアナキンがガキっぽい。
ガキのくせに力だけは人以上に備えているから、自分の判断が正しいと思うと、理屈の方をねじ曲げて自分の行為を正当化してしまいます。
自分のやりたいようにやってそれが結局いいことなんだと自分で理由付けをしている、なんというか子どもですね。
何でもかんでも命令通りに従うことが良いとは決して言わないけれど、自分がパダワンなら、一応マスターにお伺いをたてて、駄目だと言われたらきちんと反論すればいいのに。。。

アナキンのそういうところを見抜いていたフェラスの観察は正しかったんですね。
フェラスもこれまでは口を開けば教科書に載っているような事ばっかり言っていて、つまらない性格に見えましたが、彼には彼なりの悩みがあったことがわかりますね。
自説を言っても教科書通りになってしまう。他人には煙たがられる。仲のよい友だちができない。。。
なんだかアナキンもフェラスも中学生並の悩みを抱えているようです。
これがジュブナイルなる所以か・・・。

読者層を十代前半に設定してあるのでアナキンに感情移入できるようにわざと幼く、感情的にしているのかもしれませんが、(オビ=ワンにも言える事ながら)時々聞こえる心の声のなんと感情的なこと。
ジェダイの修練はどこへ行った? と問いつめたい気分。
何度もオビ=ワンが苛つくシーンが出てくるたびに、なんだか情けなくなります。
お題目のジェダイの精神的超克と実際に登場してくるキャラの間にちょっと差がありすぎるような気もしますが、読む方としては人間味溢れるオビやアナキンの方が楽しいですね。

ジェダイ~新興宗教、そういう面もありますね。外からは窺い知れぬ論理でもって動いている。
肉親への愛着を断ち切るために幼少時から拉致ってくる、おのれの感情をガス抜きして、常に平静さを保つ訓練をする、現世の政治や利害関係からは完全におのれを隔離する……そんな偏った成長をした人間達が(しかも抜きんでた力は持って)世の正義と不正を判断する、ちょっと怖い気もしますね。

ジェダイがシスに足元をすくわれたのは、何もアナキンが寝返ったからだけではなく、長年のジェダイの在り方に安住して、変動の時期を迎えているのに、それに対応仕切れなかった組織としての弱体化のせいかもしれません。

なんだかとりとめのないコメントになってしまいましたが、onionさんの的確な「読み」にひとつひとつ唸らされました。
2008.07.08 15:56 | URL | #q6AO.T9M [edit]
onion says...""
>Helvaさん
写真、このブログの設定ででっかい写真が使えました。しらなんだわ~。この表紙のオビがめちゃめちゃカッコいいですよね!

てことで、早速に丁寧なコメント、ありがとうございます!
今、8巻を読んでますが、まさにフェラスのそういう苦悩シーンが出ていてう~~ん、さすがだなあ、と感心しきりで。
別ドラマですみませんが、フェラスって、今はまっている「ちりとてちん」で出てきた「エーコ」だったのか! と。
成績優秀で性格も良くてみんなの人気者、でも親友はいない。弱みを見せれる相手がいない、まさに「敬して遠ざける」タイプの出来杉君だったのね。
そのフェラスが最終話までどんな変化をするか、その辺りの面白さも、楽しみになってきました!

それからそれから、ジェナはフォース萌え?
しかも贅沢大好きって、一番ヤヴァイタイプの「腐った女子」オタクじゃないっすか~~w
ダメ、アナキン逃げて~~~!!<コラコラ
2008.07.09 02:22 | URL | #- [edit]

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