2008.11.23 (Sun)
JQ10-最後の対決
![]() | [ジェダイ・クエスト-10] 最後の対決 (LUCAS BOOKS) (2008/10/24) ジュード・ワトソン 商品詳細を見る |
いよいよエピソード1と2をつなぐブリッジノヴェル(それもジュブナイルとして)の最後です。ジェダイ見習い(パダワン)となったアナキンの成長と葛藤を描いているこのシリーズ、エピソード1以前のオビ=ワンのパダワン時代を描いた「ジェダイ・アプレンティス」シリーズと同じジュード・ワトソン女史なので、アナキンとオビ=ワンそれぞれの少年時代がかぶるような、でも根本的に違ってきているような、どこかリンクさせつつ読むのが本当はいいのでしょう。
が、いかんせんわたしはJAを途中までしか読んでいなくて、JQとの共通キャラとのリンクができていないので、イマイチ理解できていないシーンも多くあると思います。
しかしそのあたりはさすがワトソン女史、単体でも楽しめるようにちゃんと描いてくださっているので、映画だけ観ているファンにも充分楽しめるようになっているところがすごいですねえ。
ひとつにはジュブナイル(ティーン向け)という制約のせいか、時には説教臭くw、時には大人のジェダイたちがあまりに喜怒哀楽あらわに悩みすぎw、突っ込みどころは多々あれど、他のスターウォーズのノヴェライズよりは「ジェダイのありよう」に対して非常に真面目に取り組まれていて、そして「ジェダイのジレンマ」に対しても真摯に取り組んでいて、わたしは好感を持って読みました。
その最後の巻として、いったいどんなオチをつけるのか?
かなり興味津々だったのですが、そこはそれ、エピソード2の最初、ちょっと生意気で横紙破りながらどこかのほほんとして未だかげりを知らないアナキンがエンドにありますから。そうそう黒くはならないだろうと予測していたんですが。
ここからは少しネタばれが入りますので、未読の方は要注意です。(しかも長いぞw)
【More・・・】
いやあ、意外と。悪にも色々あるんだなあ、と。
一番ヤバい「悪」である「権力欲」に溺れてしまうとは、ワトソン女史、なかなかやりますね。
だって、映画で一番ブーイングだったのが、「女の為だけであそこまで落ちるか?」だったから。映画単体ではそう見えても仕方がないっていうか、パドメとの事を多く描くとどうしてもそういう印象が出てきてしまって、なんだよー、みたいな気持ちにもなろうというものですが、なにより権力を欲していたなら、暗黒面落ちももっと理解できるような気がします。
しかし、ちょっと、と思わないでもないシーンもありますよ。
特に友達関係とか。
なんかねー、友達とうまくつきあえなくなる事って、思春期にはありがちじゃあありませんか。肝心のところで対応を間違えて、結局ひとりぼっちになってしまうあのシーンは、どんな子でも友達と喧嘩した事を思い出して、暗い気持ちになったんじゃないかと、ちょっと心配してしまいましたよ。
大人になれば、子どもの頃の友情って、喧嘩したり仲直りしたり、喧嘩もしなかったのにいつの間にか遊ばなくなったり、不変とは言いがたい関係だというのは明らかですが、子どもにとっては自分の世界すべてのような感じ方をしてしまうものです。アナキンがこの後友達をまったく作れそうにない最後は、どうにもつらい。
これは、わたしが子どもの頃から友達作りが下手で、友人関係に悩んだ経験があるから思うのかもしれないけど、やり直しがきく関係とそうでない関係、その辺りを最後でごっちゃに放り出してしまった感があって、読んだ少年少女たちが混乱してしまうのでは、と一人で心配してしまいました。
どうしてもシリーズの最終章は駆け足になってしまうので、余韻がイマイチなのは仕方ないですかねえ。ダラダラ続けない方がいいとも思いますが、これで終わっちゃ、そらフェラスのこれからとか気になってしまいます。
あ、それが狙いかw
てな事を考えつつ、書いていたらネットがつながらなくなって(とほほ)、この記事も投稿できずにいる訳ですが(11月23日現在)、今朝NHKのアーカイヴスで夏目漱石の作品を読み解くって番組をやっていて、ぼーっと観てたら結論が「人間同士の営利(ギブ&テイク)が働かず関係、それが「友情」や「師弟」である、と言っていてはっとしました。
男女関係や家族関係は無償のようでいてどこかでどうしようもなく相手を利用してしまうものだと、会社などの社会の関わりは言うに及ばず、それでも人間が信頼だけで結ばれる可能性がある関係が友情であり師弟であるわけだということでした(その解説の概略での漱石の至った心理みたいなもの)。
男女は基本的に一対で、どうしても相手を束縛してしまうけども、友情は多数でもよく、しかも「ギブ&ギブ」でも(あるいは「テイク&テイク」でも)あり得る。不安定な関係でありながら、実は強固な「信頼」を得る可能性があるんだ、というのは、目から鱗というか、そういえば子どもの頃(特に思春期)って、親より兄弟より友達を信頼していて、どこかで夢を見ていたなあと。
ほら、ティーンの好きなマンガやゲームなども、恋愛ものより友情ものが結局多くないですか?(「ドラゴンボール」「ワンピース」などのキャラクターが多いマンガやロールプレイング・ゲームなど)中で男女がくっついたり離れたりしながら、一番強固なのは友情で、子どもたち(過去のわたし)はどこかで「こんなに信頼できる、永遠に続く友達が欲しい」と願うのではないでしょうか。
ジェダイという存在に対して憧れるのも、その強固な師弟関係で、どこか根源的なところでつながっている関係、親より配偶者より強い関係、それが羨ましいし、逆に言うとどこかで、これほどの強固な人間的つながりを得るのは普通の人間としては無理だとあきらめている部分もあるでしょう。
その強固なつながりが閉ざされたとき、アナキンには横につながる関係でなく縦に、上に立つ「権力」しか残っていなかった。
てことなのかな。
うーむ、いまだわたしの頭の中が整理できてないですが。とりあえず終わりました。
ジュード・ワトソン女史、ドキドキワクワクをありがとうございました。
表紙イラストの長野さん、毎回美しい絵をありがとうございました。フェラスは言うに及ばずアナキンは役者本人より絵の方が好きです!
そして訳の西村さん、英語の翻訳を読んでいるような感覚なくSWを読ませてくださってありがとうございました。なによりありがたかったです!
ああ、「つづき」が読みたいなあ。
さて、投稿できるでしょうか? えいっ。
onion |
2008.11.23(日) 16:58 | URL |
【編集】
遅くなりました。
まずは復旧おめでとうございます。
わが家のPCもこのところ黒画面発進で、そろそろきな臭くなっています。もう6年目!ともなると半ば化石となりつつあります。
JQ10の力作レビューありがとうございました!
レビューと一口に言っても、作品全体を筋立てやシリーズ内の位置から見る見方と、ポイントを絞って、そこにスポットを当てる見方がありますが、onionさんが目を付けられたのが、「人間同士の営利」、さすがですね。
恋愛関係なんてまさに自分が愛されるために相手を愛する、式の利害関係の最たるものですが、友情と師弟関係は利害を超えている、確かにその通りですね。
それだけその人間関係の成り立ちは偶然の要素が多くて、そもそもその関係が成り立ったということ自体が、関係を維持していく上で最も大きな要因だから、関係維持に無理が少ないのかも知れません。ただ、より相手によく思われたいとか、他の人よりももっと相手の目を惹きつけたいなんていう雑念がはいったときに、この純粋な関係が別の物になっていくのだとも思いました。
そう思うと、なんと不安定な、危ういバランスに乗っている関係なんでしょうね。
青少年向けに簡略化された人間関係ではありますが、無私の友情がいかにもろいか、先に言ったように友情にも師弟関係にも相手を専有したいという気持ちが働いたとき、その関係は一方的にではありますが、徐々に醜い物と化して行きます。
アナキンはトゥルーとの友情を専有したがった。でも彼は上から目線で見ていましたね。ダラに対してもそうでした。自分が大将になっていられる関係だから友情が心地よかった??
自分の奥底を見透かすような批判的なフェラスは鬱陶しい存在で、自分を認めてくれるマスターにはとことんいい子面をした?
だとすると、アナキンは余りに精神的に幼いですよね。また、そのアナキンに共感を持つとしたら、読者も余りにも幼いということになっちゃいます。
ということは、つまり私たちって、幾つになってもこういうちまちました「我」意識を捨てられない、幼い存在なのかも知れませんね。
それはそれで良いとしないといけないのかも。。。
それを否定したらこの物語も茶番になってしまいますしね。
長野さんの表紙はどれも本当に、これ以外にない!というくらいのはまった表紙でした。本のグレードアップの立て役者で、表紙のお陰で好評を博したと言えましょう。
onionさんの過分なお褒めのお言葉嬉しくありがたく頂きます。
できることならフェラスのその後、最後まで看取ってあげたい(笑 ものです。
まずは復旧おめでとうございます。
わが家のPCもこのところ黒画面発進で、そろそろきな臭くなっています。もう6年目!ともなると半ば化石となりつつあります。
JQ10の力作レビューありがとうございました!
レビューと一口に言っても、作品全体を筋立てやシリーズ内の位置から見る見方と、ポイントを絞って、そこにスポットを当てる見方がありますが、onionさんが目を付けられたのが、「人間同士の営利」、さすがですね。
恋愛関係なんてまさに自分が愛されるために相手を愛する、式の利害関係の最たるものですが、友情と師弟関係は利害を超えている、確かにその通りですね。
それだけその人間関係の成り立ちは偶然の要素が多くて、そもそもその関係が成り立ったということ自体が、関係を維持していく上で最も大きな要因だから、関係維持に無理が少ないのかも知れません。ただ、より相手によく思われたいとか、他の人よりももっと相手の目を惹きつけたいなんていう雑念がはいったときに、この純粋な関係が別の物になっていくのだとも思いました。
そう思うと、なんと不安定な、危ういバランスに乗っている関係なんでしょうね。
青少年向けに簡略化された人間関係ではありますが、無私の友情がいかにもろいか、先に言ったように友情にも師弟関係にも相手を専有したいという気持ちが働いたとき、その関係は一方的にではありますが、徐々に醜い物と化して行きます。
アナキンはトゥルーとの友情を専有したがった。でも彼は上から目線で見ていましたね。ダラに対してもそうでした。自分が大将になっていられる関係だから友情が心地よかった??
自分の奥底を見透かすような批判的なフェラスは鬱陶しい存在で、自分を認めてくれるマスターにはとことんいい子面をした?
だとすると、アナキンは余りに精神的に幼いですよね。また、そのアナキンに共感を持つとしたら、読者も余りにも幼いということになっちゃいます。
ということは、つまり私たちって、幾つになってもこういうちまちました「我」意識を捨てられない、幼い存在なのかも知れませんね。
それはそれで良いとしないといけないのかも。。。
それを否定したらこの物語も茶番になってしまいますしね。
長野さんの表紙はどれも本当に、これ以外にない!というくらいのはまった表紙でした。本のグレードアップの立て役者で、表紙のお陰で好評を博したと言えましょう。
onionさんの過分なお褒めのお言葉嬉しくありがたく頂きます。
できることならフェラスのその後、最後まで看取ってあげたい(笑 ものです。
Helva |
2008.11.27(木) 00:53 | URL |
【編集】
>Helvaさん
ネットにつながらないとあまりに不便、でも落ち着いて他のことができる・・・ジレンマですが、すでにネットのない生活は考えられません。パソコンの寿命も、やっぱ8年が限界ですかねー。
レビューというよりただ本に触発されて妄想全開になってしまっただけのような気がw
でも本当にいろいろいろいろ(!)ありがとうございました!!
ネットにつながらないとあまりに不便、でも落ち着いて他のことができる・・・ジレンマですが、すでにネットのない生活は考えられません。パソコンの寿命も、やっぱ8年が限界ですかねー。
レビューというよりただ本に触発されて妄想全開になってしまっただけのような気がw
でも本当にいろいろいろいろ(!)ありがとうございました!!
onion |
2008.11.27(木) 21:04 | URL |
【編集】
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今日ルーター買ってきました。(遅い)
いろいろごたごたしつつ、でもまだつないでもらってません。完全復活とはいかないみたいです。